9月8日日曜日。雨予報なので心配したけれど、朝はとりあえず晴れている。
先週は体重が増えてしまったが、トレーニングを増やして80kgを下回るレベルに落とした。人間ドックを控え、一日何回も体重計に乗っている。奥さんには「女じゃないんだから、そんなにダイエットしてどうするの?」と言われるけれど、減量でなく検査数値を改善するのが目的である。
日曜日なので片道2kmのロードを2往復。暗くて足元に注意しながら走ったためか、熱帯夜が戻って来たためか、あるいは重いシューズを履いたためか、しばらくぶりに後半バテる。まあ、よくなったり悪くなったりしながら、徐々に調子を戻していけたらいい。
週末にキリンビールから中間配当の通知が来た。持ち株はかなり処分してしまったけれど、キリンビールは残っている株式のひとつである。配当通知と一緒に、「株主優待制度の変更に関するご案内」が入っている。
WEBをみると、他のビール会社では株主優待を廃止しているところがあるらしい。海外株主に対する配慮を言い訳にしているが、結局のところ経費節減策であろう。キリンもそうかと思って読んでみると、なんと全く逆で優待拡充であった。
キリンビールから届いた株主優待制度の変更についての案内。優待廃止かと思ったら、長期保有株主は逆に優待拡充してくれるという。
これまでの優待制度は、持ち株1000株未満と1000株以上だけ区別があり、いずれもキリンの製品詰め合わせなどから選ぶことができた。昔から、食品関連の企業では自社製品を株主に送るのが慣例であり、半世紀前から多くの企業がそうしている。
一般的に使える商品のない企業でも(銀行とか証券、商社)、何やかや理由をつけて米とかそういうものを送っていた。株主を大事にしているというイメージ戦略でもあったし、株主総会を円滑に終わらせるための必要経費でもあった。
しかし、時代とともにそうしたおおらかさはなくなり、株主優待制度を残している企業はずいぶん少なくなった。自社製品そのものはサービスできるけれど、仕分け・荷造り・宅配の費用がバカにならないからであろう。
そうした中、わがキリンビールは、3年以上保有している株主には従来より優待内容を拡充させるという。これまでも、決算期だけ株主ですぐに売ってしまう優待目当ての投資はあったし、それは別に悪いことでもないけれど、企業として長期的に安定株主であってほしいのは当然である。
拡充内容はというと、次回(来年春)から、従来は1000円相当だった優待品(ビールだと4本)を2000円相当に増額する。2021年12月以前からの株主限定で、2022年以降の株主は3年になるまで従来どおり。2024年9月末からの株主は、1年未満の保有であれば優待対象外となる。
他にも、抽選で特別商品や割引サービスがあるらしいが、詳細は年度末までに決定する。いずれにしても私のような零細かつ長期株主にとって、ありがたい制度変更である。そして、こうして大々的に制度変更するということは、当面株主優待は続けるということである。
株式市場は資本主義に基づくものであり、資本主義であれば損得勘定、有利か不利かですべて決定されるものである。とはいえ、会社も商品も公共のもの(公器)であるという建前は、本来重んじられるべきである。
だから、社会や株主に対する還元は、本来の目的からすれば損にしかならないけれど、相応のことを行うのが望ましい。自分の損得しか考えない個人が社会に受け入れられないのと同様、そういう法人・企業も社会にとっては鼻つまみにしかならない。資本主義のというより、村落共同体の論理である。
もちろん、零細とはいえ株主なので、基本的にその会社の製品を買って多少なりとも売上に貢献したいと思っている。自社製品による株主優待は、そうした購買意欲を高めるだろう。そうやって応援する人を増やすことは、企業にとってマイナスにはならないはずである。