ゴールデンウィークがようやく終わった。生産年齢層の方々にとって貴重なお休みであり、リタイアした年金生活者はおとなしくしていればいいのだが、道路は混むし公共施設は混むし、TV番組も特別編成になってしまうのであまり有り難くない。
土日や祭日になると、NHKは海外ニュースをやらない。定時ニュースの二郎さんや野々花がお情け程度に扱うくらいで、気になるニュースが聞けないのは残念である。特に今年は川崎の事件ばっかりで、ドイツの首相選出やフーシ派対イスラエルの状況がほとんど伝えられなかった。
ドイツの政局は、2月の総選挙で勝利したCDU(ツェーデーウー)のメルツ党首が首相に選出されるはずなのに、一回目の投票で賛成が過半数に届かなかった。おそらく連立相手のSPD(エスペーデー)が嫌がらせをしたのだろうが、無記名投票なので真相は不明である。
極右政党AfD(アーエフデー)の躍進もあり今後どうなるかと思われたが、1日たたずに二回目の投票が行われ、今度はちゃんとメルツ氏が過半数の信任を得た。CDUには、コロナ当時のシュパーン保健相やCSU(ツェーエスウー)のゼーダー党首(わが家ではゴルゴ13と呼ぶ)など濃いキャラクターがいて、メルツ首相の下では彼らに脚光が当たることになる。
(CSUはCDUのバイエルン支部であるが、歴史的な経緯もあってバイエルン州だけ別の党になっている)
ドイツに親近感があるのは昔からで、ツェーデーウーをシーディーユーとか読まれると違うだろうと言いたくなる。鉄のクラウスの部下はアーからツェットだし、バイエルンとかカールスルーエといった地名が出てくるとトーマの心臓を思い出す。私の年代が最後かもしれない。
家では日本の政治家よりドイツの政治家をよく知っている。奥さんも日本の外務大臣は知らないがベアボックは知っているし、ハーベック経済相もフェーザー内相も知っている。石破のもったりした国会答弁より、ドイツの連邦議会の方がよっぽど見た目がいい。議事堂もかっこいいし。
フーシ派対イスラエルも緊迫しており、フーシ派がイスラエルを攻撃してイスラエルが報復、トランプまでしゃしゃり出てきて、中東はかなり危ないことになっている。(その後、オマーンだかカタールだかの仲介で、米国との全面戦争は回避されたようだ)。
フーシ派の広報担当ヤヒヤ・サリー准将(で読みはいいのだろうか。日本語ニュースで名前を読まれたことがない)もまたかなり濃いキャラクターで、独特の甲高い声とイントネーションで自らの正当性を主張している。個人的には、トランプの広報官(レビット氏)よりよっぽどまともに見える。
フーシ派の広報担当・サリー准将。イエメンの反体制派武装勢力なので肩入れしてはいけないのだが、かなり濃いキャラで結構面白い。
「紅海わぁ、われわれの海であーる。許可なく航行する船舶わぁ、イスラエルの味方とみなしぃ、容赦なく攻撃する」とか「われわれの部隊わぁ、敵国イスラエルの国際空港を爆撃しぃ、多大な損害を与えた。イスラエルの防空システムわぁ、全く機能しなかったぁー」みたいなアナウンスを、ほとんどまばたきせず、微動だにしないで行うのである。
フーシ派はイエメンの反体制派武装勢力で、国際法上正しいことばかり行っている訳ではない。だから肩入れはしないけれども、イスラエル攻撃については彼らの主張も筋は通っている。
確かに先に手を出したのはハマスだが、いまや組織だった抵抗はできず、ガザ攻撃をやめなかったり国境封鎖して支援物資を入れさせないイスラエルは、正当な自衛権行使とは到底認められない。バレスチナを支援するフーシ派としても、ガザ地区のパレスチナ人を見殺しにできないというのは理解できる。
イエメンで世界的有名人というと、思い出すのはナジーム・ハメドである。2000年前後のボクシング界で最も人気のあったボクサーの一人で、その独特のスタイルと桁外れのパワーは空前絶後といえるほどだった。真似しようとするボクサーは日本人でもいるが、足元にも及ばない。
人気絶頂時に引退せざるを得なくなったのは9.11同時多発テロの影響で、イエメン系の彼は試合を組めなくなった。当時の主戦場はラスベガスだったから、仕方のないこととはいえ惜しいことであった。
階級的にも年齢的にもパッキャオと近かったので、もし同時多発テロがなければ当然対戦しただろう。ちなみに、当時の知名度も実績もファイトマネーも、ハメドの方がずっと上である。
話を戻すと、ハメド以来のイエメン系有名人サリー准将を広報担当とするフーシ派のニュースも、GWにはほとんど見ない。NHKでやらないからYouTubeで検索せざるを得なかった。おかげで"Houthis"はhを入れると真っ先に表示されるようになった。
サリー准将をみてハメドともう一人思い出すのは、初期のゴルゴ13に出てくるアサシン暗殺団の幹部である。この幹部は下っ端ではないのだが、ゴルゴ13の顔が分かるので実行犯を指示される。しかし、気づかれずに接近できたはずなのに、ゴルゴ13に気づかれ返り討ちに遭う。
なぜ近づいたのが分かったかゴルゴに訊ねると、「ハシッシの匂いがした」と返される(アサシン暗殺団は、標的に向かう前にハシッシを吸う儀式がある)。気づかれてはいけないのに大麻はまずいだろうと読んでいて思ったのだが、サリー准将も下っ端の任務を与えられてあえなく討ち死にしないかどうか、心配されるところである。
↓どれかクリックしていただければうれしいですが、ブログ村は最近広告ばっかりなので、データ無制限でない方はご注意ください。