9月26日木曜日。前日ジムでランニングは休んだので、少し体重が増えた。午前中は涼しいようなので、再び10kmコースへ。
3日前より足が軽いように思ったし、途中経過も速かったのだけれど、終わってみたら10秒ほど遅れて汗びっしょりになった。まだまだ、タイムを気にして走るようなコンディションではないらしい。
それでも、これで10kmを2回走った。昨年は八街まで10kmを5回走ったと書いてあるからあと3回。残り3週間あるので、昨年には追いつけそうだ。
ちょっと前までキワモノ扱いされていた糖質制限だが、いまや糖尿病のメイン対策のひとつとして確立している。江部先生だけでなく、最近は牧田先生が精力的に情報発信されている。
牧田先生は米ロックフェラー大学で研究された糖尿病専門医で、AGE(終末糖化産物)の研究者であった。近年は銀座にクリニックを開院し、自費診療(!!)で進行した糖尿病患者の治療に携わっている。
江部先生の高雄病院でもその当時糖質制限食は保険がきかなかったので、健保対象でないから金持ち相手だと決めつけることはできない。大多数の開業医や薬品会社に都合が悪いから、意地悪されて対象から外されている可能性もある。
牧田先生自身も大学病院にいた時には、血清クレアチニンが悪くなってから腎臓専門医に紹介状を書いていたという。ところがある時、専門医から「クレアチニンが悪くなってからでは手遅れですよ。尿アルブミンを診て、まだ手が打てる時に紹介してくれないと」と言われたそうである。
これを機会に一念発起した先生は、外国の論文を欠かさずチェックし、糖尿病の最大の合併症である腎臓病について勉強し直したそうである。こうした自身の経験もあって、勉強不足の医者に任せていたら直せるものも直せない。手遅れになってから言われるだけだと警鐘を鳴らしている。
江部先生はパイオニアだから、そもそも糖質制限とは何かから話を始めなければならなかった。牧田先生は糖尿病と腎臓が専門で、糖質制限は当然というところからスタートする。
江部先生の時代と違って、糖質制限に意味があるかないかの議論は必要がなく、糖質制限は有効というところからスタートする。そして、糖質が何g含まれるかよりも、血糖値をどれだけ上げるかがもっと重要であるという。いまは、フリースタイルリブレという計測器で、リアルタイムに血糖値が計測できるからである。
これはいわゆるGI値の話だが、先生にはこだわりがあってGIという言葉は使わない。ともかく、すぐ腸に届いて血糖値を上げる清涼飲料やお菓子、単体で摂取する炭水化物をまず避けろとおっしゃる。それを知るためには、フリースタイルリブレはたいへん効果的ということである。
先生の治療の主眼は、ともかく人工透析にしないことである。腎臓の濾過機能はダメになってから回復させることはできず、人工透析か腎臓移植しか方法はない。だから、全面的にダメになる前に治療を開始し、回復しないまでも進行を止めることが重要だという。
具体的には、検診や内科医の検査で指摘される尿たんぱくとか血清クレアチニンが異常値となってしまえば手遅れで、そうなる前に手を打たなければならない。それには尿アルブミンの検査が欠かせないし、どういう処方で進行を食い止められるかの知識が必須だが、残念ながら多くの内科医にその知識がないのが実態という。
今回、私自身の経験として、いきなり腎臓が悪いと言われSGLT2阻害薬を処方されたのだが、検査数値(尿アルブミンを含む)に異常はないし、腎臓という見立てには疑問をもっている。それでいろいろ調べた中に牧田先生のこの本もあって、糖尿病と腎臓病について言えば、私の考えはそう外れていないように思える。
とはいえ、いくつか物足りない点もあって、いきなり牧田クリニックの投薬の説明に入ってしまうのは商売柄やむを得ないとしても、まず生活指導なり薬に頼らない方法を説明していただければもっとありがたい。
その意味では、血糖値の管理、糖質中毒の回避に重点が置かれ過ぎていて、塩分制限やたんぱく質の制限にはあまり熱心でない(もちろん腎臓の話の中で触れられてはいるが)。糖尿病の進行が腎臓に悪影響があるのは言うまでもないが、塩分・たんぱく質の過剰摂取も負けないくらい悪影響がある。
もう一つ、人工甘味料や合成添加物がよくないのは分かるけれども、じゃあ糖やアルコールと比べてどちらがよくないんですかという説明がない。個人的に、ビールとノンアルコールビールのどちらがどれだけ悪いのかにたいへん関心があるので、そこの説明がないのがやや不満である。
ただ、人工甘味料や合成添加物の害についてはまだまだ研究が進んでいないというのが実態だし、アルコールは少量でもやっぱりいかんというのはつい最近の研究結果である。この分野は日進月歩だから、すべての分野で最先端という訳にはいかないかもしれない。
p.s. 書評過去記事のまとめページはこちら。1970年代少女マンガの記事もあります。
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