四苦八苦しながら斜面を登る。樹間が広がったところはあるけれども、誰かの足跡や人工物の気配はない。ただ、進退窮まるような場所もない。枝をかき分け、尾根筋と思われる斜面を辛抱強く登る。
方向転換して10~15分くらい登った時、目の前に人工物が現れた。何かの境界柱で、石ではなくプラスチックでできている。何か書いてあるかとよく見たが、字らしきものは見えなかった。
国有林境界柱はもっと立派だし、桜川市と石岡市の市境は足尾山からきのこ山の稜線でここではない。かつての町村境かというと、このあたりすべて真壁町である。いったい何の柱なのだろう。まあともかく人工物であることは確かで、誰かが定期的に通っている道である。
これでかなり安心した。尾根を登ればいずれ登山道に出るのは確実とはいえ、人工物があれば少なくとも踏み跡以上である。道に迷って遭難ということはなさそうで、登ってきた道を下るよりかなり心強い。
高滝不動からの進路が見つからなかった。地形図を頼りに尾根を登り、ようやく何かの境界柱を見つけて安心した。
この後、一定間隔おきに同じプラスチックの境界柱が現れて、この道で大丈夫と確信した。はじめのうちは枝や薮をかき分けて登らなければならなかったが、次第にはっきりした踏み跡となり、さらに道らしくなった。意を強くして登ると、いきなり行先案内が現れた。
その案内看板はつぼろ台と分岐する関東ふれあいの道のもので、いつの間にか合流していたのである。どこで合流したか全然分からなかったが、とにかく正規ルートに復活したことになる。つぼろ台分岐というのは、思ったより標高が低かったけれど。
つぼろ台からきのこ山はずいぶん距離もあるし標高差もある。案内ではあと1kmとたいした距離ではないのだが、下る時はともかく登りはなかなか頂上に着かない。急坂を登って、急階段を登って、また急坂を登るという感じである。
それでも、正規ルートは安心して登ることができる。薮はあるけれども、草刈りをしていないのとそこから先は道がないかもしれないのはかなり違う。1/25000図によると、合流点からきのこ山まで標高差200m弱あるが、休みなしできのこ山の東屋に到着した。
この日のお昼は朝ファミマで買ってきたメロンパンとインスタントみそ汁。いつもインスタントコーヒーなので、たまには味変でみそ汁にしたのである。ゆっくりしていたら、登山者が登ってきた。きのこ山で重なるのは珍しいが、考えてみたらここでお昼にしたことが少なかったのである。
登っている時すでに、かなりの突風が吹いていた。東屋は比較的風が当たらなかったのだけれど、下り始めると再びすごい勢いで吹き上げてきた。パラグライダー離陸場の吹き流しも真横になっていて、土曜日のいい天気なのに誰も待機していなかった。
関東ふれあいの道に復帰してからは、順調にきのこ山まで登ることができた。眺めはたいへんよかったが、強風でパラグライダーも飛んでいなかった。
登りが順調でなかったし、風も強いし、下りはおとなしく関東ふれあいの道を歩いた。
いつもは麓まで林道を使うけれど、また同じ道では面白くないのでみかげ憩いの森の中を経由して下った。レストハウスみかげはすでに営業しておらず、立派な建物だけが残っている。その下の駐車場は使われていて、何台か駐車していた。
スポーツしている人は見当たらなかったから、おそらく山に登ったのだろう。真壁までまだ距離があるし、きのこ山・足尾山ならここが一番近い。
この日の行程
真壁サイクルロード駐車場(40) 6:50
7:35 林道分岐(130) 7:40
8:00 林道末端(389) 8:05
8:35 高滝不動(250 進路見つからず) 8:50
9:35 ふれあいの道合流(370) 9:35
9:55 きのこ山(527) 10:25
11:45 駐車場(40) [GPS測定距離 10.3km]
p.s.中高年の山歩きシリーズ、バックナンバーはこちら。
↓どれかクリックしていただければうれしいですが、ブログ村は最近広告ばっかりなので、データ無制限でない方はご注意ください。
登りで苦労したので、下りはおとなしく関東ふれあいの道を歩く。右足と左足を交互に出せば目的地に着くのは、とてもありがたいことだ。