Go Down Gamblin' ver.6

私taipaが趣味の世界からお送りします

4時間かかって山頂へ 至仏山再挑戦(後編)

中間点を過ぎると、少し歩きやすくなった。離れた場所から至仏山を見ると、中腹の傾斜が急で山頂近くはなだらかに見える。実際、標高2000mくらいからそれほど滑りやすい道ではなくなる。

そしてとうとう、木道が現われた。ここまでは岩を踏むたびに滑らないかどうか神経を使う道だったが、ここからはリズムよく木道を進むことができる。しかし油断すると、ときどき木が腐っていたり斜めっていたりするので注意が必要である。

 

蛇紋岩の滑りやすい足場から木の階段になると、頂上が近い。しかし、霧が深く見通しが利かないのは変わらない。

 

しかし、ここまで登ってもまだ周囲は霧である。山頂も麓も見えない。これまでの尾瀬ヶ原では午前10時くらいになると雲間から至仏山が見えたものだが、この日はどうやら難しいようだ。

霧雨から小雨になったので、しばらく前からザックカバーを装着している。あたりに巨石が散在するあたりに、何時間ぶりにベンチがあった。ここが高天原と呼ばれる場所だろうか。だとすると、あと15分20分で頂上に達するはずである。休まずそのまま登り続ける。

いったん木道が終わり、斜面をトラバースする道になる。下は相変わらずごつごつした岩だ。ふと空を見ると、この日初めての青空。相変わらず麓は雲の中だが、頂上に向けて霧が晴れた。一気に景色がよくなり、気分も爽快になる。

この日初めてのシャッターチャンスである。森林限界の上なので、岩と背の低い草しか見えない。そして、上からは先行グループの声が聞こえる。山頂付近は、東も西も北も岩である。地面から、険しい岩稜がいくつも立ち上がっている。

この登りで初めて、シャッターを切り何枚も写真を撮っていると、すぐ左によく見る石の山名標が出てきた。9時40分、登山口から4時間で至仏山頂到着である。

 

山頂が見えた頃、ようやく空が明るくなった。麓が見えないのは変わりないが、空が明るくなるだけで気分が大分違う。

 

山頂はおなじみの山名標とその隣に三角点、それを取り囲んでなんとか座れる岩だけが休憩スペースで、あまり広くはない。私の前に到着したグループも水分補給するくらいで、ゆっくりお昼を広げたりバーナーで何か温めたりという人達はいなかった。そして、全員が日本語を話していた。大陸客はここまで来ないようである。

後から考えると、頂上付近にいた10分か20分だけ雲が抜けた時間で、その前もその後も雲の中に入ってしまい霧雨か小雨という天気だった。だから、時間がかかったのは確かだが、この日のベストの時刻に山頂にいたことになる。

ただ、この時考えていたのは、下山したら何時になるだろうということであった。すでに時刻は10時前。計画では下山は12時半で、予約している2時半のバスまで余裕があるはずだった。しかし、登りが4時間では2時間半で下れるだろうか。

そう思って、ひと休みしてすぐに下山に移る。山頂からすぐ南に見えるのは小至仏山ではなく、山頂から続く岩稜である。ここを横切っていくだけに、下りとはいえ一筋縄ではいかない。これまでの登りと同様、気を使う道であった。

そして稜線なので、下りもあるが登りもある。小至仏山がなかなか見えない上に、これまでとは違って対面通行なので、狭い登山道ですれ違い待ちがある。あいかわらず傾斜も急で、大きな段差も頻繁にある。小至仏山までコースタイムは25分だが、なんと1時間かかった。

すでに11時、予定下山時間まであと1時間半。前回は原見岩から鳩待峠まで、1時間半かかった。2度目なのでもう少し短縮できるとは思うが、原見岩までは初見である。場合によっては、予約便を変更しなくてはならない。

いずれにせよ山の上ではスマホも通じない。急いで鳩待峠まで下るだけである。この頃になると再び周囲は霧の中で小雨がぱらつく状況で、景色もまったく見えない。だからゆっくり休憩しようという気にならずノンストップでそのまま進む。

(この項続く)

p.s.中高年の山歩きシリーズ、バックナンバーはこちら

 

 

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岩場の写真を撮ったりしていたら、山頂に着いた。昔のガイドブックにはコースタイム2時間15分なんて書いてあるが、4時間近くかかった。