Go Down Gamblin' ver.6

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今治の山火事はお遍路で通った場所

今治市山火事のニュースを見ていたら、少し前に歩いた場所の景色がよく映された。今治湯ノ浦温泉の高速IC付近は四国遍路歩きで、仙遊寺から下って国分寺経由壬生川に向かう時のルートである。

五十八番仙遊寺は八十八ヶ所の中でも有名なお寺で、ここの宿坊に泊って精進料理とご住職の長い話を味わうお遍路は多い。私もその日程で、翌朝山を下って五十九番国分寺へ、そしていくつかの旧跡を歩いて特急停車駅の壬生川(にゅうかわ)に向かう計画であった。

お粥主体の精進料理なので、仙遊寺の後はエネルギー切れに注意という言い伝えがあるのに、これを軽視して空腹に悩まされたのもなつかしい。道の駅の食堂で海鮮丼を注文したものの、予想に反してアジの刺身の上に生卵をかけたものが出てきて泣きそうになった。

私は生卵がダメである。泣く泣く、卵のない場所を3分の1くらい取り分けて食べたが、それでもエネルギーが回復したからよほどHPが足りなかったということであった。

 

今治で山火事が発生しているのは、少し前に遍路歩きで通った道である。通行止めになっている県道159号も歩いた。(出典:愛媛新聞ONLINE)

 

この道の駅周辺が、山火事のニュースでよく映像が出てくる。漆器会館の案内表示も、国道脇で目立っていた。ここから西に入ったあたりに山火事が広がっていて、消火対応の基地になっている。そして、道の駅の少し先で国道と県道が分かれるのだが、私は県道を世田薬師方面に向かったのである。

当時の記録を読むと、予想以上の登り坂で国道を行けばよかったみたいなことを書いてある。そして、この県道がまさに、延焼のおそれがあるので通行止になっている県道159号(上図)であり、登り坂のあった上に山火事が広がっているのである。

先週末にまとまった雨が降り、徐々に鎮火しつつあるのは幸いなことであった。ともあれ、日本全国が空港と新幹線で結ばれ、不便な場所などないという印象があるけれども、四国にはまだまだ辺鄙な場所が残されていて、このあたりもその一つである。

今治は愛媛では松山に次ぐ地方都市だが、当時は全国区のビジネスホテルがなかったし、この経路の壬生川にも伊予小松にもない。歩くと2日かかる川之江あたりまで行ってようやくスーパーホテルがあるくらいであった。

四国お遍路では高知の足摺岬周辺が江戸時代から人里離れた地と言われているけれど、瀬戸内のこのあたりも結構厳しい。特急はすべての駅に止まる訳ではなく、高速道路もICがなければ入れない。対岸に交通の便がいい本州が見えていても、四国に入るとかなり不便である。

今治山火事のニュースを見て、そんなことを思い出していた。四国逆回りは経済的な問題から先送りになっているが、そうしている間に健康上の問題で長旅は難しくなりつつある。一度歩いて回れただけでも、得難い経験だったかもしれない。

p.s. 四国札所歩き遍路、このあたりのバックナンバーはこちら