臨時国会で高市首相の演説を聞いて、言ってることはアベノミクスとほとんど同じだなあと改めて感じた。思わず昔のブログを探したところ、12~13年前に「まだ経済成長するんですか」と同じようなことを書いていた。当時は「ライブ」安倍で今回は「女」安倍という違いはあるけれど。
国債残高は当時が約600兆円、現在はほぼ倍増して1,200兆円に迫っている。にもかかわらず国家財政は破綻していないし、多少インフレとはいえ国民は食べるに困っていないじゃないかというのが、片山さつき蔵相はじめ積極財政派の主張である。
とはいえ、それは金利が低いからそうなっているに過ぎない。仮に長期金利が4%とか5%になれば、新規国債の利率もそれに合わせなければならず、国債費の増加で国家予算は成り立たない。それ以前に、既発国債が暴落するから、それを持っている銀行や郵便局が破綻する。
MMT理論では、財政赤字が拡大しても国債デフォルトにはならないとするが、市場金利より低い金利しか出せなければ引受け手がいなくなるし、格付機関の評価が下がればむしろ金利を上げなければならない。記憶する限りでも、国債暴落、デフォルトに陥った国はいくつもある。
もちろんアメリカを基準にすれば先進国なら大丈夫ということになるが、残念ながら日本はアメリカではない。移民がどんどん流入していまだに経済成長し続けている国と、急テンポで人口減が進行する国は違うし、日本にはグーグルもマイクロソフトもない。技術力でも中国に置いて行かれた。
アベノミクス以降十数年大丈夫なのだから、老い先短い私などが心配することではないのだろうが、それにしても思うのは、バブルは遠くなりにけりということである。
私が就職したのは銀行だが、その当時定期預金の金利は年8%だった。当時バブル最盛期で、電車の運賃表が毎年書き換えられ、定期昇給とベースアップがあった。ベースアップは前年の給料に遡及されて、年3回ボーナスがあるようなものだった。
ストもやたらと多く、春になると店に泊まり込む必要があった。タクシーは手を上げても止まってくれなかった。不動産価格がどんどん上がるので、「地上げ」が流行語となった。中央競馬がストで中止になったのはトウショウボーイの皐月賞が最後で、その年の皐月賞は中山開催できず府中2000mで行われた。
そうした記憶をたどれば、長期金利が4~5%になるのはごく当り前のことなのだが、現役世代の大多数はバブルを経験していない。そんな金利になることはありえないし、毎年7%も8%も給料が上がればいいじゃないかと思っているかもしれない。
ところが、そのバブルの少し前、私が会社訪問した頃は第二次オイルショックで、会社も強気で就職希望者を半日待たせるなんて平気だった。しかも5分面接で「明日また来てください」を10日以上続け、嫌なら来なくていいですという就職氷河期だった。いまの大病院状態である。
その経験から、状況が変わるのはあっと言う間と骨身に染みている。
「成長戦略」と言うけれど、人口が減ってマーケットが小さくなり、技術も他国より劣るのに何の産業で成長するのか。積極財政で金利だけ上がり、財政赤字で年金を払えませんとなる前に退場しないといけないのかもしれない。
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